チョット笑える話
チョット笑える話〜留学編O〜 2005/04/13
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留学生活の最後の日。翌日の飛行機で日本に帰国する日のことである。
半年間、生活を共にしたシェアメイトとの会話。
「飛行機は何時? 明日は仕事の休みを取って、アンタを空港まで送るから」
「いいよ、空港間の送迎費は学費に含まれているから」
「なんて水くさいことを・・・。いいからアタシに送らせなさい」
「コーチ・バス(タクシー)が学校に10時に迎えに来ることになっているから、ホン
トにいいよ」
と、私は頑なに断った。別に、わざわざ仕事を休んでもらう程のことでもないし、い
い歳して大袈裟な別れの場面は勘弁してもらいたかったからだ。まあ、文化の違
いというか、日本人の私には、これが最善の方策だと思っていた。
それでも、相手の気持ちに収まりがつかない。そこで、私は折衷案を提示した。
既に我が愛車は売り払っていたので、学校に行くまでの足がない。そこで、朝、学
校まで送ってもらって、午前10時のタクシー送迎時に仕事を抜けてもらって、最後
の別れを告げるという筋書きである。
翌朝、シェアメイトの愛犬と、隣人たちとの涙の別れが長々と続く。一方、当のシ
ェアメイトはガレージに隠ったまま、なかなか出て来ない。
(コレじゃ、最後の登校に遅刻してしまうではないか)
ガレージから出てきた彼女。手にバケツを持っている。
「どうかしたの?」
と、私が聞くと、
「ラジエターの調子が悪くて・・・。さあ行きましょう!」
と、答えた。
今日が最期の登校。13ヶ月間通った「ゴールドコースト・ハイウェイ」との景色は
見納めとなる。海沿いに列んで建つビル群や運河は「ゴールドコースト」のシンボ
ルだ。
さて、学校までの道のりは約10Km。ところが、家を出て、僅か4〜5Km走った
ところで、車のパワーが極端に落ちだした。そして、異様な悪臭を放つ煙の出現。
ボンネットからだ。
シェアメイトは、トランクからおもむろにペットボトルを取り出して、中身の水をボ
ンネット内に注ぎだした。
「これで大丈夫」
と、再出発。
さすが、オンボロ車に慣れているだけあって、見事な対処である。ハイウェーの
ど真ん中で、つい感心してしまう自分だった。
ところが、学校に着くまでに、もう一回の補給を余儀なくされた。
ゴールドコーストから、ブリスベーンの空港までは約100Kmである。「彼女の好
意に甘えて、空港までその車で送って貰ったら」と、想像すると・・・・・・。
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