チョット笑える話

チョット笑える話〜エアーライン編〜 2004/06/06
 私には、日本人としては典型である「手刀を切る」癖の持ち主である。因みに、 「手刀」とは、勝った関取が懸賞を受け取る時に手で刀を切るジェスチャーする行 為といえばお解り頂けるとは思うが。
 私がこの癖を取り入れたのは、大学生の時。工場でバイト先のおじさんが、よく 手刀を切っていて、癖が移ってしまったのだ。別に、感謝の気持ちを言葉で表現 する必要のない時にも、さりげなくこの行為を使えば、相手にチョットしたお礼が 示されるので便利だ。また、赤の他人に対しても、電車や待合所の席を空けても らいたいときにも、無言で意志が伝わる。座っている人の直前を通過するときも、 日本人であれば、腰を低めて連続で手刀を切って歩いてもらいたい。手刀は礼儀 なのだ。
 さて、舞台は国際線の機内。外人スッチーが、お盆に載せられたキャンデーや ジュースを振る舞う。当然私は、
 「Thank you」
と、言って手刀を切る。私流の手刀の切り方は、まず中央に一回。間髪入れず に、その左右に一回ずつ切る。
 この段階で、殆どの外人スチュワーデスは立ち去ってしまう。私の切る手刀がま るで、
 「要らないよ」
と、でもジェスチャーで表現しているように見られてしまうのだ。
 手で、「要らない」などと主張するほど私は無礼な人間ではない。まして、口では 「ありがとう」と言っているのにである。
 因みに、私なりに「要らないよ」は
 「No, thanks」
と、言って首を振る。




トップへ
戻る
前へ
次へ