チョット笑える話
チョット笑える話〜留学編・PartX〜 2003/05/24
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やはり日本人の手先は器用である。そんな体験を実感した出来事があった。
オーストラリアに留学して一ヶ月が経った頃、広大な大陸での生活にマイカーは
必要不可欠と、超中古のブルーバードを購入した。前オーナーからの引き渡しが
無事終了して、その帰りに早速スペア・キーを作りに街のスーパーに立ち寄った。
日本同様、どこのスーパー(ショッピング・センター)内の一角にも、靴や傘の修理
屋を兼ねた合い鍵屋が存在する。
この時訪れた合い鍵屋の店員はオージー(オーストラリア人)の青年だった。い
かにもオージーらしく、気さくな性格と日常的な挨拶代わりの会話が心地よかっ
た。
「このカギね!すぐできるよ、ちょっと座って待ってて!」
と、愛想は抜群であった。
この青年が作業に取りかかって間もなく、
「アウチッ!」
と叫んでコピー先のカギを地面に叩きつけた。どうやら失敗したらしい。気を取り
直して、2つ目の材料を万力にセットする。
「アウチッ!」
と叫んでまた投げ捨てる。3つ目、4つ目と、立て続けにコピー先の材料を投げ捨
てた。
「無理ならいいよ」
と、私が話しかけるも、
「I can, I can」
の一点張り。最初の気さくなイメージとは一転して、プロ根性に徹して意地になっ
ていた。
5つ目の材料でやっと成功。ニッサン車のキーということで複製が難しかったら
しい。当地「ホールデン」という豪自動車メーカーや米産「フォード」のマスター・キ
ーは5種類しかないほど単純な構造との噂もあるほどだった。
合い鍵屋といい、床屋といい、当地ではそれほど熟練した技術を持った職人と
いうイメージがない(実際に誰でも成れる)お国柄。老若何女問わず、オシャレな
日本人たちは値段は高くても日本人美容師の居る美容院へ足を延ばしていた。
オシャレでない私(?)は合い鍵と床屋は良しとしても、歯科医だけは日本人の世
話になろうと固く心に誓っていた。
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